こんにちは、蜂駆除専門家「ふくろう」のWEB担当の和田です。
先日、趣味で日本ミツバチを飼育している方のところに採蜜のお手伝いに行ってきました。
なんでも去年西洋ミツバチが入り、今年はもう箱にパンパンになっているので採蜜したいとのこと。
その方はけっこうミツバチやられているので、簡単な顔を防護するネットとゴム手袋、厚手の上着のみでとりあえずお手伝いに向かいました。
ちょっと簡単に前段階を説明しますと、日本ミツバチと西洋ミツバチでは、基本的に飼育する箱が異なっており、
日本ミツバチは重箱式といわれる、重箱のように段々を重ねて飼育します。一方の西洋ミツバチは一つの箱の中に枠を複数入れて飼育するという感じです。
今回のケースでは、日本ミツバチの重箱式に西洋ミツバチが入っており、一番上の箱に蜜が詰まっているので、それを切り取って取り出す、という作業でした。
が、切り取るために巣を切り始めてから、ミツバチがめちゃくちゃぶつかってくるわ、すごい羽音がし始めてかなりやばい雰囲気になります。
半分くらい切り込みを入れた段階で、履いていたジーンズのももあたりに刺されたような感触が…。
西洋ミツバチに刺されるとかなりの痛みと数日間の痒みと腫れが残るのでこの段階で最悪や….と思いました。
とりあえず毒を抜くためにその場を離れますが、続いて複数回足に刺されます。
しかも5メートルくらい離れてもめちゃくちゃ追いかけてきます。
どうぶつの森で蜂に追いかけられている状態と同じです。
その間にもしっかり厚手の服で隠していたはずの脇腹、なぜか脇も刺されます(脇は毒針がずっと残っていた状態でした)
蜂から離れるときは静かに、忍者のように、が大切なのですが、それでも執拗に狙われ、さすがにこちらも攻撃に転じると、あちらの攻撃も苛烈になります。
ついにはゴム手袋さえも貫通するほどの威力になります。手も刺され始めて、絶望します。
いや、西洋ミツバチの本気はどの蜂よりも怖いと思いました….
そんな様子になりましたが、おじいさんは根気よく切り取った巣にブロワーで風を送り蜂を追い払い続けてます。既におじいさんの蜂ネットは侵入されていて、耳には数か所毒針が残っていて悲惨な状態でした。
日本ミツバチではこんな状態には絶対にならないです。西洋ミツバチの強さを知ります。
なんとか切り取った蜜をほうほうのていで持ち帰ります。
その途中、全身刺されたせいか、体中がかゆくなります。
特に頭に血が上り、頭皮にかゆみが…(思い出すだけで痒みが…)
この段階になると、全身刺されているのに、全身痛いという感覚はなく、毒針が残っていた
脇腹と脇に痛みは集中して後はかゆみ、という感じでした。
はいはい、私は知っています、刺されたときは刺された箇所を冷たい水で洗い流してあとは虫さされのかゆみ成分であるヒスタミンに対抗すべき、抗ヒスタミン系軟膏の「ムヒ」を塗ればよろしいんでしょう、と思い、全身シャワーと冷水を風呂に貯め、体を沈めます。
その後全身ムヒを塗りたくります。
そこまでしてはっと鏡を見て気づきました。
あ、全身浮腫が発生している、と。
全身浮腫はアナフィラキシーショックの完璧な症状です。
アナフィラキシーショックには、
・呼吸困難
・血圧低下
・意識障害
・全身浮腫
があります。ここからアナフィラキシーショックが発症すると、どの症状が現れるかルーレットが回ります。100万分の0.09~0.13くらいの可能性で浮腫が呼吸器官や重要な器官に起こり呼吸困難や意識障害に陥ります。
[参考資料下記]
https://anaphylaxis-guideline.jp/wp-content/uploads/2023/03/guideline_slide2022.pdf
ブラックジャックに全身むくれてる人の話あったなぁ、確か手術しても顔が戻ってしまう殺人衝動を常に持っている人の話だっけと思いつつも、救急車を呼ばなきゃ死ぬレベルのやつだと思いましたが、結局病院行っても点滴打って抗ヒスタミン系のもの塗られるだけならどうせなら意識がなくなったときでいいやと思いました。(今思えば絶対救急車呼ぶべきでした)
ただ、全身かゆみとムヒのスースーを感じる中、あれ、ミツバチに刺されて亡くなられた方っているのかなと思って「ミツバチ 死亡事故」で検索して細かく調べましたが、あんまり有用な記事は出てきません。おかしいな、養蜂家の方は結構日常的に刺されているイメージがあるのになんでだろう…と疑問でした。
これはいまだに謎です。
オオスズメバチに2か所同時に刺されたときは激痛でしゃべれない時間が続きましたが、
西洋ミツバチの場合はとりあえず全身痒みがひどいって感じでした。オオスズメバチの痛みで死ぬならまぁ許せるけど、全身痒みの中で死ぬのはけっこうしんどいなぁって感想でした。
結局全身ムヒのスース―感に浸りながら、数時間寝てたら、ルーレットは無事生存のところに落ち、なんとかそのあとも仕事できました。
散々な目にあいましたが、数日後、当事者のおじいさんにあったときは、その人は何にも起こらなかったそうです。80過ぎの方で死んでないか心配してましたが、やはり強い。
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